以前に買ったまま積み置きしていた、
仕事のための12の基礎力~「キャリア」と「能力」の育て方~
を読みました。
著者はリクルートワークス研究所の大久保幸夫さんです。
以前、大久保さんのキャリアに関する講演をお聴きしたこともあり、当時の復習も兼ねて
各年齢層で身に着ける必要のある力について、読みました。
20代までに養成する力は以下の通りだそうです。
①反応力(リアクション)
コミュニケーションの中で最も基本となるところですが、なかなか最近の若い世代に足りない
と指摘されているそうです。
話しを聞いているときに、あいづちを打つなど、何かの反応を示すこと。
コミュニケーションに占める要素では、93%が表情、声、7%が内容だそうです。
面接の実験で、あいづちを打たれたほうが、そうでないよりも、発言量が50%増えたという
結果もあるそうです。
②愛嬌力
若くて力のない人でも、愛嬌がある人は目上の人を含めて周りから助けられやすかったり、
ミスを笑顔でカバーできるなど、利点が多いとのことです。
リーダーになる条件の一つとしてもあげられているポイントです。
田中角栄元首相が、10年ぶりに会った支持者にフルネームで呼びかけ、
「やあ、おばあちゃんは元気か?」というような、親しみのわくように接する姿などが例とされています。
③楽天力
仕事につきもののストレスをいかにコントロールできるかが決まるそうです。
ストレスへの対応には、2種類あり、
一つは消極的対応、もう一つは積極的対応です。
消極的対応:あきらめる、忘れる、他人のせいにする、気分転換する
積極的対応:ポジティブシンキング、失敗学の研究対象とする
失敗学とは、自分の失敗の原因を積極的に振り返り、分析することで
次に同じ失敗をしない為の対策を立てていくことをいうそうです。
失敗についてくよくよせず冷静に分析するという発想の転換は、なかなか面白いです。
経営者から見た若い世代の弱点の第1位が「忍耐力」だそうです。
積極的に物事に対応していけば、粘り強く取り組んでいけます。
④目標発見力
昨今、よく言われているように、課題を自分で発見し積極的に解決することが求められています。
ともすれば、「指示待ち族」になり、与えられたことを卒なくこなすことが無難と考えがちですが。
「夢」を描き、野心的に行動し続ける「アニマルスピリット」が、自分の成長、ひいては会社、社会の
変革に繋がるとのことです。
なかなか最初から目標設定をすることは難しいですが、日々の業務を続けるうちに、
もっと効率化できないかとか、もっと付加価値がつけられないかなど、創意工夫がわき、
目標が見つかるという、ボトムアップ的な目標発見もあるかもしれません。
目標⇔現実 → ギャップ →それを埋める為の戦略 →各施策の実行・時間管理
が大きな目標達成の枠組みとのことです。
⑤継続学習力
社会人で、自分の仕事の知識習得や資格習得を自主的に行っているのは、わずか18.4%
だそうです。
著者の大久保さんの場合、学習習慣を定着させるため、1年にハードカバー150冊読破 という
目標を掲げ、忠実に守ったそうです。時間がとりにくい時は、睡眠時間を削って本を読まれたそうです。
専門書などは、初めは意味が分からないが、集中的に継続的に読み続けることで、頭の中の知識の
インフラが整備されていったとコメントされています。
覚えたことをアウトプットすることも重要と指摘されています。
P.ドラッカーの未来の労働者像で述べられている「ナレッジワーカー」の条件でも、
自分で継続して学んでいくことがあげられているとのこと。
⑥文脈理解力
世代、国籍の違う人々とコミュニケーションを取れる力。
会社でいえば、確かに年代毎に仕事へのコミットメントや、同僚との付き合い方など違いがあります。
ましてや利害関係が異なる場面で、相手の意見とその背景にある想い、考え方を慮って、理解していく
力が文脈理解力とのことです。
こうして読んでみると、①~③、⑥はコミュニケーション力、人間的魅力
④は自分自身の動機付け、仕事に対する姿勢
⑤は意欲、習慣
ということで、小手先のいわゆるスキルではなく、人格の涵養が大事であることが良くわかります。
仕事の能力という視点だけでなく、これらの力は純粋に人間的に尊敬できる人物像でもあります。
どうしても楽な方に、独り善がりになってしまいがちですが、たまにこれらのことを思い出し、
新鮮な気持ちに立ち返られればと思います。